中学受験について2017.11.24
先日の中学入試の説明会から中学受験についていろいろ考えてみました。
中学受験に興味のある方は読んでいただくといいと思います。
まず、中学受験は大変子供に負荷がかかります。
子供に負荷をかけることは悪いことではありません。
筋トレなどで、徐々に重さをかけてトレーニングしていくのと同じことだと思ってください。
しかし、中学受験の負荷は相当な負荷をかけることになります。
例えば、中学受験をする子たちの上位の子たちは、中学3年生が受ける公立高校入試の問題の英語、数学を除けば
7割は取れるといわれています。習っていない分野はあれど、理科、社会、国語は満点近い点数をとれる子がザラにいるといわれています。
これがどういう意味かお分かりですよね?
中学生が公立中学で3年間勉強していた内容とほぼ同じ内容と量を中学受験をする子供たちは、小学校に行っている以外の時間で、つまり放課後の時間に学習しているということなんです。
たとえ上位校を目指すわけじゃないから・・・といっても
中学受験をするからには、彼らと同じ内容のものを一通りは学習しなくてはいけないということなんです。
それが、100%定着するまで学習するか、
70%の定着でよしとするか、50%くらいの定着にするかの違いだけです。
つまり、中学受験をするということは、どの段階からかは人それぞれかもしれませんが、1日のうち学校で8時間ほど過ごし、睡眠を8時間とったとすると、その残りの8時間で、中学生が学校で習っている内容を復習と定着を含めて学習しなくてはいけないということです。
とんでもない、負荷がかかっているということです。
ですから、『やる!』と決める前に、
まずは親子で本当にその覚悟と決意があるのかを話し合ってみていただきたいと思います。
では、次に中学受験までの大きな流れをみていただきましょう。
通常、現在の中学受験は小学校4年生からの通塾は一般的といわれています。
もっと早くからやっている人もいれば、小学校5年生からスタートする人もいるでしょうが、
小学校4年生で受験の本格的な学習の準備段階を経て、
5年生から本格的な勉強を始めるのが一般的な流れとなっています。
中学受験で必要な基礎知識を凝縮して小学5年生の1年間でやっていきます。
小学6年生になると、小学5年生で習ったことをベースにして発展問題の勉強をしていきます。
そして小6の夏にそれらを総復習し、夏以降に今まで習ってきたことを踏まえての過去問を使った演習問題をしていきます。
どの塾でもこういった流れで、中学受験のコースを設定しています。
これが一般的な中学受験の流れとなっています。
ですが、時々小学校6年生の夏くらいから子供の希望で中学受験をしたい!といってこられる方がいらっしゃいます。
前述したとおり、小6の夏は今までの習った内容の発展問題から受験問題の演習をやっている段階なので、相当大変なことになるということを覚悟して取り組まないといけません。
多くは、その負荷に耐え切れず消化不良のまま受験日を迎えることになってしまいます。
しかし、強い意志と決意を持って他人より遅れた分をふんばって追いつく子もいるというのも事実ではあります。ですから、無理なく子供たちに学習させるためには計画的に早めに準備して臨むのが子供のためにはいいということになります。
中学受験はまだまだ親の手を借りねばならない子供たちが、非常にハードな学習環境に身を置かなくてはならなくなります。
本当なら、友達同士遊びたい。ゆっくり休みたい。
テレビを見たい。ゲームしたい。漫画を読みたい。
などなどいろんな誘惑を断ち切って学習にだけ取り組まなくてはいけません。
強い意志を持たなければできないことです。
それはそれはストレスがたまることでしょう。
それまで、我慢などなかなかできないような子供たちが、そんな誘惑を我慢して学習に取り組むのです。
生半可な負荷じゃないことはおわかりですよね?
それをサポートし、時には叱咤激励するのが親の役割となるのです。
子供たちが、疲れ切って帰ってきたとき、とにかく疲れた羽を休ませ、安心感を与えてあげる存在で居続ける必要があるのです。
そして、親子で中学受験という大きな壁に挑んでいくことになります。
さて、ここまで読んでいただいて中学受験に対してどう思われましたか?
そんなことまでしなくてもいいんじゃないか。
やっぱり、大変だよ。
小学校のうちは勉強勉強ばっかりじゃかわいそう。
↑これも、真っ当な意見と思います。
しかし、『中学受験』という大きなハードルに子供に大変な負荷をかけて、親と子供で力を合わせて挑む機会を持つことは、その後の親子関係においてもいい効果をもたらすことがあるのではないでしょうか?
子供の大変な時期をサポートできるのはそうそうない機会になりますし、子供が大きく成長できる貴重な機会ともなると思います。
我が子の将来を考えたとき、また中学・高校の充実した6年間を夢見たとき、
たとえ茨の道であってもその道に一歩踏み出してみようか・・・。
そう考えてみてもいいのではないでしょうか。